男として、父として〜664g超低出生体重児、NICUとその後〜

父親になるとはどうゆうことなのか、体験と共に綴ります。664gで生まれた超低出生体重児のNICUでの記録とその後を父親目線でお伝えします!

【号外】女として、母として

いつも『おとちちブログ』を読んでくださっている皆様、ありがとうございます。

初めまして、こんばんは。おとちちの妻です。

 

本日は、娘の1歳の誕生日を記念し「1年前の振り返り」と称して、

特別に私がブログを書くことになりました。

 

この特別な日に、夫がどんなブログを書こうかと悩んだ挙句、

「書きなよ!」と私に白羽の矢が飛んできました。

 

いつも夫には突拍子も無いことを言われて困ることも多いのですが、

今回はせっかくの機会ですので、筆を取らせていただきます。

つたない文章ですが、お付き合いください。

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昨年の今日、2016年6月28日、

私は妊娠わずか7ヶ月、25週で、664gの小さな小さな娘を産みました。

ブログでは「フトシ」と呼ばれていますが、

「フトシ」は胎児ネームで、実際は女の子です。

 

結婚3年目にしてようやく授かった命。

妊娠がわかった時、私はとても嬉しくて、

何があってもこの子を守ろうと決意しました。

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 【結婚2周年記念日に妊娠がわかる】

 

幸いつわりがほとんどなかったため、

妊娠前とさほど変わることなく仕事や家事をすることができていました。

妊婦検診を受けていた病院では、毎回経過は順調と言われており

予定日は10月7日。

7月まで働いて8月から産休に入る予定でした。

 

 

毎晩、寝る前に仰向けになってお腹に手を当てて、

フトシがお腹を蹴るのを確認するのが日課でした。

夫も毎日帰ってきては、フトシの様子を確かめてくれ、

夫婦共々フトシが生まれてくることを心待ちにしていました。

 

 

しかし、6月26日、状況が一変します。

フトシがお腹を蹴ってくれないのです。

それまでも、1日位は蹴られない事がありましたが、

翌日27日も蹴られません・・・。

 

しかも、仰向けになった時のお腹の張り具合が

なんとなくいつもと違いました。

いつもは、お腹がパンパンで仰向けの姿勢は苦しいのですが、

お腹のお肉が横にダラんと流れる感じがして、嫌な予感がしました。

 

自分自身を安心させるため、翌28日の午前中だけ仕事をお休みして、

近所のクリニックへ行くことにしました。

問題ないと言われたら、午後から会社に行こうと思っており、

夫にも念のため付き添いをお願いしました。

 

 

しかし、そこで待っていたのは私の想像をはるかに超えるものでした。

 

 

クリニックで検査を受けながら先生に

「赤ちゃんの心拍がかなり遅いです。

普通は160ぐらいですが、80まで落ちることがあります。

今から大学病院へ搬送します。救急車を呼びます。」と言われ、

頭が真っ白になりました。

 

救急車が到着するまで、クリニックのベッドに一人で寝ている時、

『心拍かなり遅いかもしれないけど、ちゃんと動いてるんだよね?

止まってはいない。遅いけど動いてる。大丈夫。大丈夫だよね?』

と自問自答していたら、行き場のない感情が溢れ出てきました。

 

 

救急車の中では、夫が隣にいて、ずっと手を握ってくれていたので、

気持ちが少し落ち着いた私は、

『このまま予定日近くまで入院することになるんだろうな。

どうしよう、仕事の引き継ぎとか何もしてない。』と思っていました。

 

 

大学病院に着いてからすぐに、先生が内診とエコーで確認しましたが、

やはりフトシの元気がなく、非常に危険な状態とのこと。

フトシの推定体重はわずか600g。

 

 

そして、先生から衝撃の事実を聞かされます。

 

 

 

「今から赤ちゃんを取り出します。緊急帝王切開です。」

 

 

 

私は、考えるより先に、

不安が涙へと変わり、ただただ泣くことしかできませんでした。

 

 

 

前置胎盤のため出血大量のリスクがあります。輸血をする可能性が高いです。」

「出血が止まらない場合は、最悪子宮を全摘出します。」

「600gで産まれてきますので、障害や後遺症が残る可能性があります。」

 

という先生の説明は、

今、自分の身に起きていることとは、到底思えないものばかりでした。

 

 

その横で、

急遽病院に駆けつけた私の両親は

「なんとかもう少し、お腹の中に居させてあげられないでしょうか?」

と先生に尋ねながら、私やフトシのことを心配し泣いていました。

 

夫は覚悟を決め、色々な同意書にサインをし、

その場にいた誰よりも落ち着いて、私の手を握ってくれました。

 

 

そのほんの数分後、私はストレッチャーに乗せられ手術室に運ばれました。

運ばれている最中も、夫がずっと「大丈夫、大丈夫」と

いつものように励ましてくれましたが、

不安でどんどん溢れでる涙を止めることはできませんでした。

 

 

 

 

手術は全身麻酔だったため、手術中の記憶はありません。

約3時間かけて手術は無事成功し、子宮は温存され、輸血もなかったとのことです。

しかし、フトシの産声を聞くことができないまま、

フトシはNICUに運ばれていきました。

 

夫と私の両親は、産まれたばかりのフトシを見ることができたようで、

麻酔が切れて私が目をさますと写真を見せてくれました。

 

ラップに包まれて、真っ赤で、本当に本当に小さなフトシ。

夫曰く、

小さいけど手足が長くて、髪の毛がフサフサで、

鼻筋が通っていて本当にかわいかったようで、

不安もあるけど早く私も会いたいなと思いました。

 

 

両親が帰宅してから、面会時間を大幅に過ぎるほど

今日のことやこれからのことを、夫とたくさん話をしました。

夫は、私のことを心から誇りに思うと何度も言ってくれ

その時あらためて、この人と結婚して本当に良かったと思いました。

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しかし、夫が帰ってからは、部屋で1人きりで寂しくて、

今日いきなり起こった出来事に頭の整理がつかず涙したり、

麻酔がきれて身体中の色々な箇所が痛くなったりして、とても辛かったです。

 

 

翌日、車椅子に乗ってNICUまで連れていってもらい、

ついにフトシに会うことができました。

 

そこには、

私たちが思い描いた大きさではなかったけれど、

確かに私と夫の子ども、

フトシがいました。

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かすかに聞こえる泣き声は、私たちに何かを訴えているようで、

強い生命力を感じました。

 

フトシの手のひらに私の指を乗せると、ギュッと握り返してくれて、

本当に小さいけど、懸命に生きようとしているフトシを見て、

私も頑張ろうと心から思いました。

 

 

 

 

 

 

ここまで、昨年の6月28日を中心に振り返ってみました。

1年たった今でも、鮮明に思い出すことができます。

不安で涙したこと、術後の痛み、夫の強さや優しさ、フトシと出会えた喜び、

色々なものが一気に詰め込まれた1日を決して忘れないと思います。

 

 

 

フトシはその後、10月14日に退院するまで108日間、

NICUでお世話になりました。

 

入院中のことは、本当に色々ありすぎて書ききれませんが、

フトシはひとつひとつ頑張って壁を乗り越えてくれました。

 

毎日かかさずお見舞いに行ったこと

3時間毎の搾乳のこと、

夫婦の絆が深まったことなど、

フトシという存在を通してたくさんの経験をした日々でもありました。

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また、

退院してからも

些細なことで病院に駆け込んだり

誰を頼って良いのかわからず、新聞や先輩ママ達から情報をかき集めたり、

夫の帰宅が遅くて、フトシと2人でドキドキしながら過ごす時間が増えたり、と

めまぐるしい日々が続きました。

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そういった色々なことを乗り越えて

本日フトシは

退院してから一度も風邪をひくことなく、

無事に1歳の誕生日を迎えることができました。

 

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【出生体重と同じ重さのペットボトルを持ち上げるフトシ】

 

この特別な日を迎えることができたのは、

救急車を呼んでくれた近所のクリニックの先生、

フトシを取り出してくれた産婦人科の先生、

フトシの主治医の新生児科の先生、

フトシの目を手術してくれた眼科の先生、

NICUの看護師さん・助産師さん、

早産児の先輩ママ達、

私の両親、

夫の両親、

 

その他、ここでは挙げきれないほど多くの方々の

あたたかい支えがあったからこそだと思います。

 

皆様には、いくら感謝しても感謝しきれません。

本当にありがとうございました。

 

そして、

夫と

何より、今この瞬間を元気に生き続けてくれているフトシに、

心から感謝します。

 

こうして振り返ると、改めて思います。

フトシ、無事に生まれてきてくれてありがとう。

私をママにしてくれてありがとう。

あなたが生まれてこなかったことを想像できません。

あの時は不安で涙が止まらなかったけど、今は嬉しくて涙がでます。

 

これからも家族3人、毎日楽しく笑顔で暮らしていこうね!

 

 

最後になりましたが、ブログを読んでくださっている皆様、

長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。

もし、まわりに早産で産まれたお子さんを持つ親御さんがいましたら、

このブログを紹介していただければ幸いです。

これからも早産児の情報を発信して、

少しでも不安を持つ家族の力になれればと思っています。

 

誤字脱字やくだらないことの多いつたないブログですが、

今後とも『おとちちブログ』をどうぞよろしくお願いいたします。

 

引き続き、一緒にフトシの成長を見守っていただけたら、

こんなに嬉しいことはありません。

 

 

 

フトシ1歳おめでとう!!!

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母より 

 

 

end